同門会長からの挨拶

三重大学第一外科同門会 会長
松阪中央総合病院 院長
田端 正己

三重大学第一外科同門会会長の田端正己です。
われわれ第一外科は、1943年に三重大学医学部の前身の三重県立医学専門学校に外科学講座が開設されたことに始まります。したがって2023年には、開講80周年を迎えました。この間、講座再編を経て、2005年4月から現在の肝胆膵・移植外科の講座名になりました。
同門会は1961年1月から不定期に懇親会形式で開催されていましたが、規約に基づく正式な同門会は1985年1月に発足しました。令和8年6月現在、同門会員数は225名になります。
同門会は規約にあるように「会員の親睦を図ること」が第一の目的です。親睦の場として、年1回、総会・懇親会を開催していますが、コロナ禍で一時期中断していたこともあり、最近は出席者が減少傾向にあります。特に県外からの参加者は少なくなりました。同門の先生方は、是非、総会・懇親会にご出席いただき、旧交を温めるとともに、同門の絆を深めていただければと思います。
一方で、同門会は「教室の支援組織」でもあります。支援のひとつとして、一昨年から会員の先生方に研究助成寄付のお願いを始めさせていただきました。教室の発展には臨床とともに研究が欠かせませんが、最近は文科省や厚労省からの助成金獲得は年々厳しくなっており、また昨今の社会情勢から製薬会社からの研究費の受け入れも難しく、研究経費が充足出来ないことから、同門の先生方にご寄付をお願いした次第です。現状をご理解いただき、引き続きご支援いただきますようお願い申し上げます。
そして、もうひとつの支援とは同門会員を増やすことです。定年を迎えられる先生がおられる中で、数多くある県下の関係病院を維持していくには新たな同門会員の入会が欠かせません。労働環境の厳しさなどから、最近、消化器外科医の成り手が減少していますが、われわれ第一外科は、毎年、継続して新たな同門会員を迎え入れることが出来ています。これも同門の先生方の初期研修医への熱心なご指導と強い働きかけのお陰と感謝いたしております。関係病院維持のため、引き続きご協力をお願い申し上げます。
「同門の絆」とは「同じ師匠の下で学び、同じ学問や技芸を修める者同士の、断ち切り難い強いつながりや深い愛情」だそうです。われわれ同門会員は第一外科という「断ち切り難い強い絆」で結ばれています。この強い絆をもとに、結束して教室の隆盛発展に寄与するのが同門会です。会員の先生方のご協力をお願い申し上げます。

令和8年6月

教室創設から現在までの講座名の変遷 (2026年6月現在)

西暦年・月 歴代教授 教授在職期間 講座名
1943年12月
↓
1945年7月
宇田和雄教授 1年10ヵ月 外科
1948年1月
↓
1976年3月
山本俊介教授 27年3ヵ月 第一外科
1976年9月
↓
1994年3月
水本龍二教授 17年7ヵ月 第一外科
1978年4月 脳神経外科講座独立
1994年7月
↓
2001年3月
川原田嘉文教授 6年9ヵ月 第一外科
2001年12月
↓
2006年3月
上本伸二教授 4年4ヵ月 肝胆膵・乳腺外科
2005年4月 臓器別診療体制にて第一外科から肝胆膵・乳腺外科に変更
2007年12月
↓
2019年3月
伊佐地秀司教授 2008年7月 三重大学医学部附属病院乳腺センター開設
11年4ヵ月 肝胆膵・移植外科
2010年10月 三重大学医学部附属病院臓器移植センター開設
2019年11月
↓
現在に至る
水野修吾教授 4年7ヵ月〜 肝胆膵・移植外科

戦前の初代教授宇田和雄先生~第2代教授山本俊介先生(1976年3月退官)までの第一外科学講座は一般外科と消化器外科、さらに脳神経外科の領域を担当していました。
1976年9月、第3代教授として就任された水本龍二先生は消化器外科のなかでも、当時、外科医があまり手をつけなかった肝胆膵悪性腫瘍や門脈圧亢進症に対し積極的に外科的治療を施行し、徐々に第一外科が肝胆膵外科の分野で全国的にも評価されるようになりました。
1978年4月に第一外科から脳神経外科学講座が分離独立し、肝胆膵外科が教室の中心となりましたが、依然、一般外科と消化器外科、さらに乳腺外科も担当していました。水本教授時代には実験的・臨床的研究も精力的に行われ、欧米の脳死肝移植施設に留学者を派遣し、臨床の肝移植を視野に入れた準備も進展しました。
1994年7月、第4代教授に就任された川原田嘉文先生は、胆膵の縮小手術としてTaj Mahal肝切除(S4a+S5切除)および膵頭切除兼十二指腸第2部切除を開発され、さらに教室に米国流のレジデントシステムを導入されました。
2001年12月、京都大学から第5代教授に就任された上本伸二先生は生体肝移植を教室に導入され、次いで、脳死肝移植も手がけられ、2010年4月には三重大学医学部附属病院は脳死肝移植認定施設に認定されました。
2005年4月には臓器別診療体制への転換により、第一外科は肝胆膵・乳腺外科と名称変更し、同時に第二外科は消化管・小児外科の名称になりました。
2007年12月に第6代教授に就任された伊佐地秀司先生は上本時代の肝移植の血行再建手技を進行膵癌の手術に応用し、また全国に先駆けて術前治療を導入され、膵癌の治療成績を飛躍的に向上させられました。
なお、2008年7月には三重大学医学部附属病院乳腺センターが開設され、初代教授に水本教授時代に入局された小川朋子先生(平1卒)が就任されました。花村典子先生(平4卒)や女性外科医ら数名が移籍し、これを機に、肝胆膵・乳腺外科は三重大学大学院医学系研究科肝胆膵・移植外科学と名称を変更することになりました。
2019年11月には第7代教授として水野修吾先生が就任され、教室の肝胆膵・移植外科の伝統を引き継ぎ、肝胆膵外科のハイボリュームセンターとしての地位を確固たるものにしています。2025年3月には「教授就任5周年記念祝賀会」を挙行いたしました。

同門会長と事務局長 (2026年6月現在)

会長 期間 事務局長[期間]
水本龍二先生 1985年1月15日~1994年3月31日

川原田嘉文先生
[1988年4月1日~1989年1月14日]

野口 孝
[1989年1月15日~2002年1月20日]

横井 一先生
[2002年1月21日~2006年3月31日]

櫻井洋至先生
[2006年4月1日~2021年6月13日]

岸和田昌之先生
[2021年6月14日~現在に至る]

川原田嘉文先生 1994年7月1日~1998年1月14日
山際昭男先生 1998年1月15日~2007年1月14日
吉田 壽先生 2007年1月15日~2014年1月14日
野口 孝先生 2014年1月15日~2024年3月18日
田端正己 2024年3月19日~現在に至る

新規約に基づく正式な同門会発足により、1985年1月に初代会長として水本龍二教授(昭30卒)が就任され、1994年7月、第2代会長の川原田嘉文教授(昭38卒)へと引き継がれました。しかし、教授職が多忙なことから、教授の同門会長兼任を解消し、教授は顧問の立場で同門会に関わることになりました。
すなわち、1998年1月15日の同門会総会で山際昭男先生(昭29卒)が第3代会長に就任され、2007年1月まで務められた後、第4代会長吉田 壽先生(昭36卒)にバトンタッチとなりました。吉田会長は2008年3月の伊佐地秀司教授(昭54卒)就任祝賀会や平成2008年12月の小川朋子乳腺外科教授(平1卒)就任祝賀会、さらに平成2010年2月の水本龍二名誉教授『瑞寶中綬章』叙勲祝賀会を開催され、同門会をリードされました。吉田会長は2014年1月で会長を退任されましたが、その年の秋の叙勲で『旭日双光章』を受章されています。
2014年1月からは野口孝先生が第5代会長(昭47卒)に就任され、コロナ禍で大変な時期もありましたが、強力なリーダーシップのもと、同門会の結束を緩めることなく乗り切ることができました。
2024年3月からは第6代会長として田端正己先生(昭61卒)が就任し、2025年3月の総会では「水野修吾教授就任5周年祝賀会」を開催いたしました。

同門会誌

創刊号表紙
29号表紙

新規約のもとで開催された初の同門会総会・懇親会は1985年1月15日に三重県教育文化会館で行われ、その2ヵ月後の1985年3月31日に同門会誌創刊号を発刊いたしました。大学、各関係病院、勤務医、開業医の先生方のご様子やニュースをお伝えすることを中心に編集されました。編集は、教授・助教授(准教授)の指導のもと、大学在職者を中心に行い、現在も継続しています。同門会誌の第1~5号は隔年、6号以降は毎年発刊されています。写真左は創刊号の表紙ですが、絵画をライフワークとされていた吉田洋一先生(新潟大学昭29卒、三重県立大学第一外科入局昭和33年)の作品で、創刊号~第5号を担当して頂きました。塔世橋にあった三重県立大学医学部と附属病院は1972年に国立移管して、1973年に現在の江戸橋に三重大学医学部附属病院として新築されましたが、この絵はその新病院を描いています。
一方、写真右は2019年9月発刊の第29号の表紙で伊佐地教授時代の最終号です。伊佐地先生は、同門会誌のeBook(電子書籍)化を進められ、第21号~29号の編集をご自身で行われました。同時に、これまでの同門会誌は同門会総会と懇親会、関係病院だよりが中心で、学会発表や発表論文などの業績は教室のみであったため、各関係病院の業績やトピックスを掲載するよう改められました。eBook版の同門会誌(第21号以降)は教室のホームページ内の同門会の「会員専用ページ」からご覧いただけます(パスワードが必要です)。