アルツハイマー病の新しい治療における「ARIA」についてのご説明

これから抗アミロイドβ抗体薬による治療を開始される患者さんとご家族の皆様へ。
治療を進める上で知っておいていただきたい副作用の一つに「ARIA(アリア)」があります。事前に正しくご理解いただくことで安心して治療に臨んでいただけるように、これからご説明いたします。

ARIAとは何ですか?

ARIAとは「アミロイド関連画像異常」の略で、MRI検査で確認される脳の変化です。
これはアルツハイマー病に対する新しい薬(抗アミロイドβ抗体薬)が、脳に蓄積したアミロイドβに作用する過程で、一時的に脳のむくみ(ARIA-E)が生じたり、ごく小さな出血(ARIA-H)を来したりすることがあり、このような変化がMRI画像で確認されます。これらは、お薬の作用に関連した反応と考えられています。

どのような症状が起こりますか?

ARIAが発生しても、多くの場合自覚症状はありません。 定期的なMRI検査によって初めて分かることがほとんどです。

まれに、以下のような症状がみられることがあります。

  • 頭痛
  • めまい
  • 吐き気
  • 混乱(ぼんやりする)

気になる症状が現れた場合は、速やかに医師や看護師にお知らせください。

どのように発見し、対応しますか?

ARIAは、定期的に行う頭部のMRI検査で確認します。特に治療の初期段階では、計画的に検査を行い、脳の状態を注意深く観察します。

MRI検査でARIAが見つかった場合は、医師がその程度や症状の有無を慎重に評価し、今後の治療方針を判断します。

症状がなくMRI所見が軽微な場合は、経過を観察しながら治療を継続することが一般的です。 症状がある場合や脳の変化が大きい場合は、安全を考慮して治療を一時的に中断(休薬)します。多くの場合、休薬によってARIAの状態は改善します。その後、治療の再開を検討します。画像上の変化が大きい場合や症状が強い場合に入院治療が必要となることがあります。

患者さんにお願いしたいこと

安全に治療を継続するために、以下の2点についてご協力をお願いいたします。

体調の変化をお知らせください
治療開始後に、頭痛やめまいなど、普段と違う症状を感じた場合は、治療中の病院やクリニックで医療スタッフにお伝えください。

定期的なMRI検査をお受けください
自覚症状がない場合でも、脳の状態を確認するために、定められたスケジュールでのMRI検査は非常に重要です。